地域生活共生社会 広島市健康福祉局 局長 川添 泰宏

  最近、「地域共生社会」という言葉をよく聞く。特に私の職場は福祉の現場ということもあり、共通言語のようになっている。国も昨年、法改正を行い、社会保障の観点から地域共生社会を構築しようとしている。

  しかし、ふと思った。自分がその昔、障害福祉の仕事をしていたときも、共生いわゆる「共に生きる」という概念があった。もっというと、いろんな意味でのバリアを除去し、障害者と健常者が共に生きる社会をつくることが我々の仕事だった。だから、いまさら「地域共生社会」と言われても、それがどうした、そんなことは当然のことで、昔から目指していたものだと言いたくなる。

  ただ、現実はそう簡単ではない。やっと障害者と高齢者との共生のための仕組みづくり着手したところであり、市民感覚として偏見や差別も払拭されているわけではない。改めて、「地域共生社会」とは?自分に問いかける。まだまだ、理想にはほど遠く、我々には不断の努力が必要だ。