広島市の障害者デイサービスの新たな取組について 広島市健康福祉局長 松嶋 博孝

 

 

 広島市では、平成5年から約30年に渡り、心身障害者福祉センターにおいてデイサービスを実施してきましたが、東区光町に完成した児童相談所等の合築施設の3階に事業所を移転し、令和6年4月より新たにデイサービスを開始する運びとなりました。

 

 この移転に当たっては、利用される皆様が、より充実した日常生活を送られるよう、老朽化した施設の諸課題を解消し、一層のサービス向上を図るための検討を重ねてきました。その際、家族会や関係者の皆様から頂いた貴重なご意見が、その後の大きな指針となりました。

 

 近年、利用者と保護者の高齢化が進み、強度行動障害者や医療的ケアを必要とする利用者が増えている現状を踏まえ、まずハード面の改善として、重介護サービス室の面積をこれまでの2.4倍に拡大し、利用定員を5人から10人に増員するとともに隔日利用の制限も撤廃することとしました。また、調理室・給食室の新設により、栄養バランスの取れた献立を温かい状態で提供することが可能となりました。

 

 こうしたハード面の改善に加え、ソフト面では、職員体制の充実に取り組みました。具体的には指導員を4名増員することにしたほか、新たに看護師、理学療法士、栄養士を各1名配置し、兼務だった施設長と事務員も専任化することで、支援体制と管理体制の拡充・強化を図りました。

 

 更に、送迎用のリフト付きワゴン車を3台増車することで、利用者の自宅近くまでの送迎が可能となり、本人とご家族の負担の軽減を図ることとしています。

 

 お陰様で、利用される皆様からは、これまでよりも広くきれいな施設で安心してサービスを受けられることに好評をいただいており、特に温かい給食を喜んでいただいていると伺っています。

 

 今後とも、質の高い福祉サービスの提供と安定した受入れ態勢の確立を図り、施設を利用される皆様に、住み慣れた地域で尊厳ある生活を送るための支援拠点として位置付けてもらえるよう取り組んでいきたいと考えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※写真:広島市社会福祉事業団ホームページより