障がいのある方とご家族に魅せられて みさかえの園総合発達医療福祉センター  むつみの家 施設長 福田 雅文

「ここすまネット」8周年記念おめでとうございます。
一昨年、長崎県医療的ケア児等支援者・コーディネーター研修会で中川さん、村尾さん、岡崎先生に講演を頂きました。広島の支援体制構築に加えて、中川さん、村尾さんにはお子さまのことや母親の思いを語っていただき、受講生に大切なメッセージが伝わりました。
 私は長崎で新生児医療に20年、施設に移って20年、ずっと子どもたちとご家族に向き合ってきました。胎児期、新生児期に重い病気や通常の発達が望めないことが分かったとき、ご家族の悲しみの深さや子どもの命を守る母親の思いを学びました。
 施設では、移って間もない時期の当直の夜に呼吸状態が悪くなった女性の方を酸素や経鼻チューブで対応して、朝になると楽になられました。私もほっとして、ベッドの傍でそっと「大丈夫ですか?」と呼びかけてみたら、腕がゆっくり伸びてきて私の頭を引き寄せて、顔を優しく抱きしめてくれました。抱きしめられながら、こんな素敵な表現をされるのだと感激しました。その後も障がいのある方との交流は私の楽しみです。
 また面会のとき、本当に優しい表情で交流されるご家族をみると、苦難を乗り越えながら家族の絆を深く結ばれてきたのだと
感じます。私にとってこの場所はとても居心地がいい所だと思っています。

 

(2021年2月発行「Circle of Smiles」掲載)