【連載 ばぁばみちこコラム】第三回 救うことができる子どもの命―不慮の事故―  子どもを育てている中でヒヤッとしたことはありませんか? 広島市民病院 総合周産期母子医療センター 元センター長 林谷 道子

 子どもは好奇心が旺盛で、ママやパパのすることをよく見て真似をします。子どもの成長は目まぐるしく、きのうまではできなかったことが今日はできるようになります。寝返りをしないと思って柵を上げずにベッドに寝かせていたら落ちてしまった、ちょっと目を離したすきに、床に落ちていたものを飲み込んでしまったなど、子どもの周りには大人には気づかない子どもの興味をひく危険なものがいっぱいあります。

 私も子どもが幼いころ、一緒にお風呂に入っていて、子どもが溺れかけてヒヤッとしたことがあります。私がシャンプーをしていて目を離していた一瞬のことです。

 事故によって子どもが亡くなったり、障害を持ったりすれば、子どもの命だけでなく、ママやパパの心に取り返しのない深い傷や悲しみを残します。

 

 下の小さな古い小冊子は、母の遺品の中に母子手帳と一緒に保存してあったものです。「あなたの子どものために」という、今でいう育児書ですね。米国政府児童局著 厚生省児童局譯との記載があり、初版は昭和26年で、終戦後数年の頃です。

 

 

 

 その中に、【事故防止】の項目があります。こどもの不慮の事故は屋外より家の中で起こりやすく、小さい子どもは目の届くところで見ておくこと、眠っていて大丈夫と思っても一人にしないなどの記載があります。

 小冊子には中毒、やけど、切り傷、転倒などについて注意が書かれています。

 

 「子どもの命の敵」は病気だけではなく、不慮の事故が大きな比重を占めていることをご存知ですか?厚生労働省の人口動態統計によると、平成25年の10歳までの死亡原因のうち、不慮の事故は、1~4歳では第2位、5~9歳では第1位 となっています。

 



 同じ平成25年の統計によると、交通事故を除く不慮の事故のうち、0歳時では窒息が最も多く、1~4歳では溺死・溺水と窒息が多くを占めています。乳児は気道が細く、乳児期前半では離乳食などが、乳児期後半では、小さな物を自分でつまんで口に入れて気道をつまらせることが原因となっています。行動範囲が広がる1歳以降では、お風呂の残り湯などでの溺死・溺水が目立ちます。交通事故を除く不慮の事故で1年間に200人以上の幼い命が失われています。

 

 

 子どもの死亡原因や不慮の事故の原因はここ数年ほとんど変わっていません。事故は、偶発的ですが、事故を予防するためには子どもの目線で危険を見直すことが重要です。それにより大半の事故は予防ができると思います。

 

 全国的にも子どもの事故防止への取り組が行われており、消費者庁「子どもの命を守るプロジェクト」の公式サイトhttp://www.caa.go.jp/kodomo/には子どもの命を守るために、年齢別に注意すべき点についてわかりやすく説明されています。是非参考にしてくださいね。それぞれの事故について、事故を起こさないために注意すべきこと、また万が一事故が起こったらどうすればいいかについては、次回のコラムからお話させてください。

ではまた。   By ばぁばみちこ