子どもの目線で考える〜大人の当たり前は子どもの当たり前じゃない〜 理学療法士 小柳翔太郎

「ゆるゆるして」
ストレッチ中に筋緊張を強めてしまう子どもたちに,このような声をかけたことが皆さんも一度はあるのではないでしょうか?

その他にも,
歩く練習をしている子どもたちに,「もっと膝を伸ばして」「かかとをつけて」という声かけも理学療法の場面でよく耳にすることがあると思います.

このような声をかけたときに,子どもたちは一見わかった風の何らかの反応を示してくれるため,私たち大人はうっかり理解してもらえたと思ってしまいます.
しかし,よくよく子どもの話を聞いてみたり,子どもの反応を観察してみたりすると私たち大人が意図していたことと,子どもが理解していたことが違ったということが多々あるように感じます.

 

私の出合った子どもたちの中には,「ゆるゆるして」のことを,力を抜くことではなく,「身体をゆらすこと」と理解している子,「膝を伸ばす」のことを「くるぶしに力を入れること」と理解している子がいました.

 

 障害の有無にかかわらず,子どもたちと接するときに「子どもの目線で考える」ということを大切にしていきたいなと思っています.


【詳しく学びたい方のために】
・ 佐伯胖 編:共感 育ち合う保育のなかで,ミネルヴァ書房,2007