第24回アメニティーフォーラムに参加して

 

 

 ここすまネットの企画委員を代表して、2020年2月7日~9日の日程で滋賀県大津市にて行われた第24回アメニティーフォーラムに参加しました。

 

 3日間の研修を通して、特に、印象に残ったのは、西宮市社会福祉協議会の清水明彦さんのお話です。

清水さんは、「自分のこれまでの人生は、大変重い障害をもつ人の物語から離れることができなかった」と振り返りつつ、重い障害をもつ人の意思決定支援や地域共生館「ふれぼの」について講演されました。

 

 西宮市では、「本人中心支援」ということを大切にしています。本人中心支援をするためには、重い障害をもつ人の意思を推測する必要があります。意思決定支援とは、「今その時に決めるのではなく、積み重ねられた物語、生きる意欲、欲望から立ち現れてくるもの」と表現されていました。

 また、それは、「支援者側の心が動いた時に、重い障害をもつ人の意思が立ち現れてくるものであり、それが(支援者側の)主観的であっても良く、それを書き溜めていくことで、本人の希望・思いを推測することができるのではないか」と言われていました。

 そこで推測された本人の希望や思いを実現する方法を検討する場が、必ず本人を囲んで行う「本人中心支援計画会議」です。

 本人中心支援計画会議では、お母さんに「お母さんはどこの作業所いきたいですか?」とは聞くのではなく、「お母さんは、ご本人が、どこで・だれと過ごしたいと思っていると思いますか?」と聞くようにしているそうです。

 このように、すべての生活を本人中心でどのように行っていくかを積み重ねていき、本人中心の意思決定支援を長年行ってきた清水さんは、重い障害をもつ方が亡くなるときに「一生懸命生ききったな」という達成感に近い感情をご本人とともに持てるときもあると話されていました。

 私は、清水さんの取り組みはまさに、びわこ学園初代園長岡崎先生の残された言葉「本人さんはどう思てはるんやろ・・・」と同じ視点だと思いました。

 

 また、アメニティーフォーラム全体を通して感じたのは、共生社会の実現というのは「地域に出ていくこと」だということです。

 重い障害をもつ子どもは、未就学期には、児童発達支援センターに通園し、学齢期には、特別支援学校に就学し、放課後等デイサービスを利用する、高等部卒業後には、生活介護事業所を利用するといった、人生を歩まれている方が多いように感じます。

 もちろん、その時、その時に応じた、重い障害をもつ子どもたちが安心して過ごすことができる居場所があることは大切ですが、その居場所を私たち専門職が作ることが、地域から障害をもつ子どもたちを隔離することにつながっていないかという視点を持ち続けることが大切なのではないかと感じました。

 その隔離をなくし、共生のための一歩として、地域の空き缶回収に参加したり、防犯パトロールに参加したり、カフェで働くなど、地域の一員として様々な取り組みをされている事例がアメニティーフォーラムでは紹介されていました。

 

「生産性」や「自己責任論」という言葉がキーワードに上がってくる昨今、本当にいろいろなことを考える機会になった3日間でした。

 

※ 『見てみんちゃい』の方にも、医療的ケア児等に関するセクションの報告をあげていますので、合わせて御覧下さい。

 ちょっと見てみんちゃい『医療的ケアを必要とする人への支援の最前線」を聴講して〜東松山市の取り組みを中心に〜』→